立春を過ぎたとはいえ、まだまだ寒い日が続いていますね。皆さん、お風邪などひかれていませんか?
風邪予防といえば、①外出時のマスク、②帰宅時のうがい、③帰宅時の手洗い、などを思い浮かべますが、今日は「うがい」について勉強してみましょう。
うがいは日本に独特の習慣で、海外では見た目の悪さから敬遠されがちですが、実はその効果はしっかりと証明されています。
まず、健康な成人を対象として、うがいに風邪の予防効果があるかどうかの研究結果が2005年に報告されています。これによると、水で一日3回以上うがいをすると風邪をひく頻度が36%低下する事が示されています。驚いたことに、ヨードうがい薬を用いると効果が殆ど無くなる事が示されており、これは口の中の正常な細菌が死んだり、粘膜が傷付いたりするためではないかと考えられています。
その後、幼児を対象とした研究が2012年に報告され、ここでも発熱の頻度を低下させる事が示されています。この研究では水よりも緑茶を使うと更に効果が大きいとされていますが、2014年の高校生を対象としたインフルエンザ予防を目的とした研究では、残念ながら水と緑茶に有意な差は認められませんでした。緑茶と水の違いはさておき、うがいに風邪を予防する効果がある事は確かな様です。
皆さんもこの冬を乗り切るために、こまめなうがいを心掛けてください。
(エコチル京都UC・小児科医/八角 玲子)
20160215配信