今年の8月6日は日曜日でした。私は京大に来る前の13年間広島大学に在籍していたので、今年も特別な思いでこの日を迎えました。日曜日だったので、テレビで記念式典の中継を見ることができました。広島の式典では毎年、子ども代表の小学6年生2人が「平和への誓い」を暗唱します。これは被爆50周年の式典から続いている伝統です。子どもたちの純粋な思いに毎年胸を打たれます。今年は、小学生になったばかりの娘と一緒に聴くこともできました。娘なりに何かを感じたようで、原爆投下後の惨状に言及した部分では「本当にあったこと?」と聞いてきました。
小さなエコチルキッズにはまだ難しいかもしれませんが、長崎原爆忌、終戦記念日と続く8月は、子どもと一緒に「平和」について考える大事な機会となるかもしれません。
長年核実験が実施されていたカザフスタンでは、日本の「被爆者健康手帳」に当たるものを「環境手帳(環境証明書)」と呼び、「環境が汚染された」ことに対する補償を行っています。子どもたちの未来の環境を守るために、エコチルで調査している化学物質などによる環境の影響を明らかにするとともに、平和で安心して暮らせる社会を維持するにはどうしたら良いかについても考えていきたいと思っています。
(エコチル京都UC・特定助教/平林 今日子)
20170821配信