「乳歯が生え始めるときに発熱する!?」という話を誰かから聞いたことはありませんか。
小児科医になりたての頃からずっと、「そんなことはないだろう」と思っていたのですが、このほど、今までに発表された1000を超える論文の解析結果から、ついにこの問題に結論が出ました。
乳歯はだいたい生後6か月から3歳頃までに生えるのですが、70%くらいで萌出のときに何らかの症状がみられます。主なものは、歯ぐきの違和感(87%)、気分がいらいらする(68%)、よだれ(56%)などで、体温はごくわずかに上がることはあっても発熱になるほどではない、という結果でした。また、症状は前歯の生えるときにみられることが多く、頻度も年齢とともに少なくなっていくことがわかりました。
以前からお母さん方に「歯が生えても熱は出ないよ」と言っていたことが嘘でないとわかって、ちょっとホッとしました。
(エコチル京都UC・小児科医/呉 東進)
2016年4月18日配信