紅葉の美しい季節となりましたね。赤、黄、緑の鮮やかな風景が目に入るとつい足を止めて写真に収めてしまいます。
空気が澄んだ秋から冬にかけては、乾燥に悩まされる季節でもあります。コロナ対策でマスクをすることが増えていますので、喉の乾燥は比較的防げているかもしれませんが、皮膚は乾燥していませんか?
実は思春期以前の子どもの皮膚の大部分は皮脂が少ない状態なのです。そのため皮膚表面の角層の水分量が減少して乾燥しやすい状況にあります。また、頻回な手洗いや消毒剤の使用によって、手は特に乾燥のリスクが高くなっています。
実際にコロナ対策で手洗いやアルコール消毒が頻用されるようになってから、手の乾燥を訴える子どもが増えているようです。
乾燥により皮膚のバリア機能が低下すると、様々なアレルゲンや異物が侵入しやすくなり、湿疹・皮膚炎、また細菌やウイルスによる感染症を発症するリスクが高くなりますので、保湿によるスキンケアを行い皮膚の乾燥を防ぐことはとても大切です。
保湿剤にはワセリンやヘパリン類似物質の製剤がよく使用されていますが、軟膏、クリーム、ローションなど、その剤型によっても皮膚への浸透が異なりますので、皮膚の状態に合わせて使い分けが必要です。この季節には油分の多い軟膏やクリームタイプが適切でしょう。
肌も心も潤いを保ち、この冬を乗り切りましょうね!
(エコチル京都UC・小児科医/丹羽房子)
20201120更新