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メール配信 2014年11月10日 子育て情報「おしゃぶりについて」

みなさん、こんにちは。木津川市の渡部です。おしゃぶりについてのお話を少し。

以前は多かったのですが、近頃はおしゃぶりを使っている赤ちゃんは少ない印象があります。

10年程前に「小児科と小児歯科の保健検討委員会」が「おしゃぶりは噛み合わせに悪いから出来るだけ使用しない方がよい。」という声明を出しました。

たしかに私も、歯並びにいけないからやめるようにお母さんに言ってきました。そういったことが、世間にも浸透してきたため、おしゃぶりの使用が少なくなってきているのかも知れません。

ところが、海外ではどうも事情が違うようです。2011年アメリカ小児科学会は、乳幼児突然死症候群の予防におしゃぶりが効果あるという勧告を出しました。おしゃぶりの使用を推奨している様子です。おしゃぶりを「目の敵」にしていた私は「目が点」になりました。「先生、おしゃぶりはいいの?悪いの?どっちですか!」お母さん達の声が聞こえてきそうです。

こんなふうに医学は結構揺れることが多く、今日の常識は明日の非常識です。「エコチル調査」によって今までの常識がひっくり返ることがあるかも知れませんね。それでもはっきりしないときは「医者の裁量」です。

ちなみにおしゃぶりについての私の裁量は「あわてて使う必要なし」です。

(エコチル京都UC・学研都市病院小児科医/渡部 基信)

20141110配信