1~19歳の子どもの死因の第1位は「不慮の事故」で、年間数百人の子どもが亡くなります。
命は助かっても後遺症で苦しむ子どもはその何倍もいます。事故の発生場所は家庭内が最多です。
子どもの事故予防への取り組みは一歩ずつ前進してきています。
消費者庁が推進している「子どもを事故から守る!プロジェクト」http://www.caa.go.jp/kodomo/もその一つです。そこでは、事故の例から、家族に気をつけてもらいたい情報を「子ども安全メール」として定期的に発信しています。たとえば最近でしたら、「ポンと洗濯機に入れるだけ」と売り出された洗濯用パック型液体洗剤を子どもが口に入れフィルムが破れ洗剤を飲み込んだ情報が配信されました。このようなメールサービスを利用して、「何に気をつけておくとよいのか」を学ぶと育児に生かせますね。
また、家族の力だけでは子どもの安全は守れません。昔の電気ポットはコードが本体から外れませんでした。そのため電気ポットによるやけどで受診する子どもが多かったですが、コードが本体から外れるようになってポットによるやけどは大きく減りました。
次は、電気ケトルによるやけどの増加です。これに対しても「沸騰しても蒸気が出ない・転倒してもお湯が出ない電気ケトル」が売られています。子どものいる家庭にはお勧めです。
このような「子どもに安全なデザイン」にキッズデザイン賞を与える制度があります。商品を選ぶ際の参考になると思います。http://www.kidsdesignaward.jp/2015/index.html
事故が起こったあとの応急処置を学ぶことも大事ですが、事故予防について学ぶことは子育てにとても大切ですね。
(エコチル京都UC・小児科医/宮嶋 智子)
20150525配信