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研究テーマ「ソーシャル・キャピタルが飲酒・喫煙行動に及ぼす影響」について

平素よりエコチル調査にご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
標記の研究テーマについて、この場を借りて皆様にご説明させていただきます。

 

ソーシャル・キャピタル(Social Capital)とは、「社会関係資本」とも呼ばれます。社会関係、つまり人と人とのつながり・ネットワークを「資本(キャピタル)」とみなすとらえ方のことで、1990年代から注目を集めてきた比較的新しい概念です。社会学・政治学・経済学などの分野を中心に広まった概念ですが、昨今は医学的な分野でも注目を集めています。

一方、喫煙に関しては、エコチル調査の暫定データにおいて、妊娠初期に「現在も吸っている」と回答した人が全体の5%、お子さんが1歳6か月時点では8%との結果が出ています。
(参考:http://www.env.go.jp/chemi/ceh/results/summary.html
過度の飲酒や喫煙は、赤ちゃんにも、お母さん自身の健康にも負の影響を及ぼすことが分かっています。妊婦さんや子育て中のお母さんの禁酒や禁煙がうまくいく背景に、ソーシャル・キャピタルが何らかの役割を担っているのではないかと考え、今回の研究テーマを設定させていただきました。

本研究は京都大学・医の倫理委員会の審査を受け、医学研究科長の許可を受けて実施いたします。研究期間は2026年3月年末までを予定しています。なお、本研究で用いたデータは論文化から少なくとも10年間保管されます。

 

本研究では、皆様からこれまでにいただいた質問票への回答、及び出産時までに医療機関で採取させていただいた生体試料をもとに、匿名化を行ったうえで解析を行います。よって本研究によって皆様に新たにご負担いただく内容はございません。

本研究テーマでデータを用いることに抵抗を感じられる場合、またはご不明な点等ございましたら、お手数ではございますが、下記15に記載の連絡先までご連絡いただきますようお願い申し上げます。研究の内容や手続きについて、より詳しくご説明させていただきます。ご連絡をいただいたことで、不利益を被ることは一切ございません。また、ご納得いただけない場合には、データの使用はいたしません。

今後とも引き続き、エコチル調査にご協力を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

1. 研究の名称
ソーシャル・キャピタルが飲酒・喫煙行動に及ぼす影響

 

2. 倫理審査と許可
京都大学大学院医学研究科・医学部及び医学部附属病院 医の倫理委員会の審査を受け、研究機関の長の許可を受けて実施する。 

 

3. 研究機関の名称・研究責任者の氏名 
国立環境研究所 エコチル調査コアセンター(代表:コアセンター長 山崎新)を主たる研究実施機関とする。

 

4. 研究の目的・意義 
本研究は、ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)が妊産婦及び子育て中の母親の飲酒・喫煙行動に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。
ソーシャル・キャピタルの役割について検討した研究は多数存在するものの、国内の妊産婦を対象とした大規模な調査において分析した例は見当たらない。本テーマの解析結果は今後の妊産婦の飲酒・喫煙率低下に対する取り組みを検討するうえで重要な知見を提供するであろう。

 

5. 研究実施期間 
研究機関の長の許可日~2026年3月末まで

 

6. 対象となる試料・情報の取得期間
2011年1月~2055年12月末まで(エコチル調査本体の観察期間)

 

7. 試料・情報の利用目的・利用方法 
ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)と飲酒・喫煙行動との関連を分析するため、妊娠中にご提供いただいた試料・情報を統計的に解析する。

 

8. 利用または提供する試料・情報の項目 
アウトカム: 飲酒、喫煙
曝露要因:ソーシャル・キャピタル(社会的つながり)
共変量: 学歴、世帯収入、婚姻状況、同居家族、職業、心理的不安・DV・ストレスの有無、授乳状況、産後うつの有無

 

9. 利用または提供を開始する予定日
研究機関の長の許可日

 

10. 当該研究を実施する全ての共同研究機関の名称および研究責任者の職名・氏名 
京都大学大学院医学研究科エコチル調査京都ユニットセンター
中山健夫
金谷久美子
平林今日子
JECSグループ:エコチル調査運営委員長(研究代表者)、コアセンター長、メディカルサポートセンター代表、各ユニットセンターから構成

 

11. 試料・情報の管理について責任を有する者の氏名または名称 
京都大学大学院医学研究科エコチル調査京都ユニットセンター 平林今日子

 

12. 研究対象者またはその代理人の求めに応じて、研究対象者が識別される試料・情報の利用または他の研究機関への提供を停止すること及びその方法 
ご自身の試料・情報を研究に利用されたくない方は、連絡先までその旨お知らせ頂ければ、解析対象から削除します。

 

13. 他の研究対象者等の個人情報および知的財産の保護等に支障がない範囲内での研究に関する資料の入手・閲覧する方法
研究代表者までご連絡ください。

 

14. 研究資金・利益相反 
1) 研究資金の種類および提供者 環境省
2) 提供者と研究者との関係 受託研究
資金提供者の研究の企画、運営、解析、論文執筆に関与の有無 関与無し
3) 利益相反
利益相反について、京都大学利益相反ポリシー、京都大学利益相反マネジメント規程に従い、京都大学臨床研究利益相反審査委員会において適切に審査しています。

 

15. 研究対象者およびその関係者からの求めや相談等への対応方法 
1)連絡先
京都大学大学院 医学研究科 エコチル調査京都ユニットセンター
〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町53 分子生物実験研究棟117号室
電話:075-366-7400 FAX:075-751-1721
またはこちらのフォームをご利用ください
担当:平林 今日子(特定講師)

2) 京都大学の苦情等の相談窓口
京都大学医学研究科 総務企画課 研究推進掛   
(Tel)075-753-9301 (E-mail)060kensui@mail2.adm.kyoto-u.ac.jp

 

2024年7月24日更新