エコチル どすえ＠京都

鉄分は不足しがちな栄養素のひとつです。鉄不足は、貧血になりやすくなるだけでなく、さまざまな心身の不調の一因となります。
からだの中の鉄は、便、汗、毛髪、爪、皮膚・粘膜から日々排出されていて、喪失した分を食事から補うことでバランスを保っています。
月経がある女性は、自分の月経血量が多いのかどうかわかりにくいため、いつのまにか鉄不足になっている場合も多いです。成長期は、必要な栄養素量が増えるため、鉄の必要量も増えます。スポーツをしている人は汗により鉄の喪失量が増えたり、筋肉量が多いと鉄の必要量が増えたりします。
日本では、鉄の摂取が必要量に満たない人（特に女性）はとても多いです。鉄不足にならないためには、食事中に含まれる鉄を効率よく吸収することが大切です。食品の鉄には、肉や魚介などに含まれる「ヘム鉄」と、野菜・穀類・豆類・海藻などに含まれる「非ヘム鉄」の2種類があります。ヘム鉄は吸収率が比較的高く、非ヘム鉄は吸収率が低いという特徴があります。そのため、動物性タンパク質をあまり食べない人は鉄不足に必要です。ビタミンC、クエン酸、タンパク質などは鉄吸収を助けるため、これらが含まれる食品を一緒に摂取することをおすすめします。
鉄に関する知識をもっておき、日頃から鉄が不足しないようなバランスの良い食事を心がけていきましょう。

京都大学大学院医学研究科婦人科学産科学/大学院生　大須賀拓真

2024年1月26日　更新