風しんの流行や、中国での鳥インフルエンザの報道など、感染症が気になりますね。 とくに、妊婦さんに関係する部分をコンパクトにお知らせします。
風疹ウイルスによる感染症で、発疹や発熱が起こります。一度かかると、大部分の人は身体の中に抗体といって、風疹ウイルスに対抗する物質ができるため、再びかかることはありません。 風しんの症状はそれほど重くないのですが、妊娠初期の女性が風しんにかかると、おなかの赤ちゃんに感染して、難聴、心疾患、白内障などを引き起こすことが知られています。とくに妊娠12週までに感染すると、赤ちゃんに障害が出る可能性が高くなります。 したがって、風しんにかかったことがなかったり、風しんの予防接種を受けたことがなかったりして、身体の中に抗体を持っていない妊婦さんや、抗体の量が不十分な妊婦さんは、注意が必要です。風しんの抗体は、通常妊娠初期の健診で測定していますので、ご自身の抗体量をご存じない方は担当医師におたずねになれば教えてもらえます。風しんは、飛沫感染といってくしゃみなどによって感染しますので、抗体を持っていないまたは抗体量が少ない場合は、感染している人のそばに寄らないなど、ご用心ください。
風しんは、予防接種を受けることで抗体ができますが、弱毒化したウイルスを接種しますので、妊娠中は避けた方がよいとされています。 妊娠しているのを知らないで予防接種をした場合は、心配になりますが、妊娠を知らないで予防接種を受けた人とその赤ちゃんを調べた研究では、障害は報告されておらず問題なさそうです。 現在問題になっているのは、20~40歳代の男性で予防接種を受けていないために抗体を持っていない人が風しんにかかかっていることです。男性も、ご自身やまわりの方々を守るために、予防接種を受けられることをおすすめします。予防接種が受けられる医療機関については、お住まいの市町村におたずねください。
厚生労働省のHPや国立感染症研究所のHPがわかりやすいです。
鳥インフルエンザは、鳥に感染するインフルエンザウイルスで起こる感染症です。普通は鳥だけで、人間には感染しないのですが、ウイルスが少しずつ変化することで、人間にも感染するようになります。現在中国で人間に感染しているのは「H7N9」というウイルスで、2013年4月現在で感染者は63名で14名が亡くなっているそうです。日本にはまだ入ってきていないようです。 妊婦さんがかかると、重症化しやすいそうですので、もし日本に入ってきた場合は、妊娠中は野生動物や鳥との接触を避けるなどの注意が必要とのことです。
日本産婦人科学会のHPをご参照ください。
(20130530)