「ソーシャル・キャピタル」という言葉をご存知でしょうか。日本語では「社会関係資本」、「社会的つながり」などと訳され、政治学や社会学、経済学等の分野で使われ始め、近年では健康とのかかわりも指摘されています。広い分野で使用されているため、その定義も様々ですが、有名なのは政治学者パットナムの「人々の協調行動を活発にすることによって社会の効率性を改善できる、信頼、規範、ネットワークといった社会組織の特徴」という定義です。ちょっと難しいですが、私たち一人ひとりがもつ「人間関係」の総称と考えてもらったら分かりやすいでしょうか。様々な組織で人間関係がうまくいっていると、色々な効果を上げることができるのではないか、という仮説です。
「人間関係」という目には見えないものを学術的に評価するというのは困難なことですが、星の王子さまの有名な一節のように、実は目には見えないものの中にこそ、大事なことが含まれているのかもしれません。
子どもたちにとって一番身近な組織とは「家族」であり、生まれて初めて築く人間関係は保護者とのかかわりです。我が家にも二人の子どもがいますが、子どもたちが日々一生懸命紡いでくれている「絆」に甘んじることなく、十分な愛情を与えられる自分でありたいです。
(エコチル京都UC・特定助教/平林 今日子)
20180219配信