お子さんの睡眠は、十分にとれていますか?子供の睡眠と発達を長年研究されてきた、小児科医の三池輝久医師によると、子供の頃(特に乳幼児期)に十分な睡眠をきちんととることが、子供の脳の発育、生活リズム形成、さらには就学後の学業や不登校予防にとって大変重要である、と指摘されています。
家の中の照明が明るすぎたり、テレビ・ゲーム・スマートフォンの光を夜に見てしまうと、夜の眠りを促すメラトニンというホルモンがうまく分泌されません。遅寝(夜10時以降に就寝)からの睡眠不足になると、日中の機嫌が悪くなったり、朝食の食欲が落ちたり、日中の集中力が落ちたりと、子供本来の力を発揮する妨げになると言われています。
三池医師が推奨しているのは、夜7時から朝7時までに、夜間だけで10時間(例21~7時)は眠ることです。もしもお子さんがすでに睡眠不足で、朝機嫌が悪かったり、眠そうにしている場合には、夜間のテレビやゲームを減らしたり、食事や入浴を早めに済ませるなどの工夫をして、一度早く寝かせるようにして変化を観察してみてください。
十分な睡眠をとることで、子供の脳と身体の発育が適切に行われ、将来的にさまざまな病気を予防してくれる可能性があります。理想的には夜9時まで、遅くても10時までには寝かせるようにしてあげたいものです。
(同志社大学赤ちゃん学研究センター・産婦人科医、公衆衛生医/川西 康之)
20180423配信