「恋が盲目というのなら、暗い夜こそふさわしい」
「恋は優しいものではない。・・・」
共にシェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』の台詞の一部です。
世界的な新型コロナウイルス感染症流行の渦中、「COVID-19のワクチン」を「恋」に置き換えて考えてみてはいかがでしょう? 残念ながら、正解はありません。
COVID-19のワクチンは、従来のインフルエンザワクチンなどとは素材も免疫獲得の仕組みも異なり、mRNAワクチンという新しい技術の結集です。
基本的に新規医薬品の臨床試験には、胎児や小児への影響を考慮し、妊婦さんや小児は組み入れられません。したがって、世界中のどこにもデータがない中、僅かな手掛かりを基に、各国で様々な専門家が協議し、知見の集積を発表しています。ですから、当然見解も分かれています。
米国では妊婦や授乳中の女性を除外するべきではないとし、WHO(世界保健機関)もワクチン接種を促す方針に転換しました。一方、英国やカナダでは接種を推奨していないようです。
日本産婦人科学会も最新の見解をHPで公表しているので、是非ご覧ください。
http://www.jsog.or.jp/modules/jsogpolicy/index.php?content_id=10
どうぞお一人で悩むことなくお近くの産科医にご相談ください!各家庭の事情に応じて相談にのってくれると思います。
京都大学大学院 医学研究科 社会健康医学系専攻・産婦人医/後藤禎人
2021年2月19日更新