新年度の始まりにあたり、エコチル調査にご参加・ご協力いただいている子どもたち、ご家族の皆さま、ご支援いただいている多くの方々に、改めてご挨拶と感謝を申し上げます。
2020年からのコロナ禍で、私たちの日常は大きな影響を受けました。この中で、子どもたちを育てられていること、通常に増して、大変なご苦労に違いありません。そしてこの2月から、ロシアのウクライナ侵攻という大きな問題が世界を揺るがせており、現地の状況を知らせるニュースに心を痛めている方々も少なくないことでしょう。
それぞれの方々が、さまざまな考えや気持ちの中で、それぞれの日常を過ごされていることと思います。とても身近なところでひとつ気になっていることが、子どもたちがコロナや戦争のニュースを受け取り過ぎていないだろうか、ということです。コロナと戦争、そのもの自体の問題の大きさと共に、それらの「情報」にさらされ過ぎることも、見えないダメージに繋がっていないか心配です。現実に目を向ける気持ちももちろん大切ですが、受け取る情報は、その意識があれば調整できますし、そうすることは、決して人間としての共感的な気持ちを閉ざすことではありません。
「情報」という環境からも、子どもたち、自分たち自身を守るすべをご一緒に考えていきたいと願っています。
(エコチル京都UCセンター長・京都大学大学院医学研究科 健康情報学 教授/中山 健夫)
2022年4月22日更新