新型コロナウイルス感染症(以下「COVID-19」)の流行に伴い、様々な情報が溢れています。
その中で求められているのが、情報を正しく収集し、理解し、評価、活用する力である『リテラシー』です。特に自身の健康のために活用する力(情報を使ってより健康に結びつくような意思決定を行う力)を『ヘルスリテラシー』といいます。
これまでの研究では、ヘルスリテラシーが低いことにより、慢性疾患のコントロールの悪化、死亡率の増加、薬の継続率や予防医療の利用の低下、病気に関する知識が低くなることがわかっています。また親のヘルスリテラシーが子どもの肥満に影響を及ぼすほか、子ども自身のヘルスリテラシーも肥満に影響を及ぼす可能性が示唆されています。
一方、COVID-19の流行下では、親子のコミュニケーションによってお子さんの不安が解消されたという報告もあります。
そのため子どもたちに近い存在である私たち大人がヘルスリテラシーを上げるにはどうしたらよいかを意識し、子どもたちとコミュニケーションを行っていくことで、子どもたちの健康によい影響を与えることができるかもしれません。
また大人だけではなく、将来子どもたちが健康な情報やプログラムを活用できるよう、早い段階から子ども自身のヘルスリテラシーを上げていく取り組みも、今後重要かもしれませんね。
(京都大学大学院医学研究科健康情報学教室 大学院生(薬剤師)/山下恵)
2022年5月27日更新