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メルマガ・子育て情報「発達期の子どものマスク着用を考える 」

新型コロナウイルス感染症の流行は大小の波を繰り返しつつ早くも2年半が経過し、大人も子どももマスク着用が日常化しています。マスクは素材や着用方法により差はありますが、適切なマスク着用によりウイルスの吸入や拡散を防ぎ、一定の感染予防効果が期待できます。

 

ただ、発達途上にある子どものマスク着用についてはいくつかの懸念があります。厚生労働省及び文部科学省は、「子どものマスク着用について」のリーフレットを作成し、就学児については、屋外、屋内、学校生活に分けて“マスク着用の必要がない場面”を示しています。また“気を付けるポイント”として、夏場は熱中症防止の観点から、マスクが必要ない場面ではマスクを外すことを推奨しています。

 

また、保育の現場でのマスク着用については、乳幼児の脳や心の発達への影響が憂慮されているところですが、就学児においてはマスクはもはや「顔のパーツ」の一部で、マスクを外すことに不安を感じ、外すべき状況でも外したがらない子が増えていると聞きます。マスク生活に慣れた結果、マスクの有無で顔の印象が変わるのが不安で、マスクがないと安心できない気持ちもわからないではありません。

 

熱中症のリスクやコミュニケーションへの弊害も考えられますが、私たち大人は子どもの気持ちを理解し、子どもが安心して過ごせるよう体調に注意して関わっていきたいですね。

 

(エコチル京都UC・小児科医/丹羽 房子)