新型コロナウイルス感染症の流行も3年目となり、いまでは身近な感染症になりました。自己診断用の検査キットが学校に配布され、また市販で買えるようになっています。便利なものですが気を付けていただきたいことがあります。
① 年齢:検査キットは自分で検査できる方のものです。文科省の資料によれば、学校で検査をする場合、(医療機関を受診できないときに限り)4年生以上の児童生徒が自ら検体をとるとしています。
② 安全性:我々が病院で検査するときは安全面に配慮しながら行っていますが、それでも鼻粘膜を傷つけて出血することがあります。
③ 正確性:前述の文科省の資料によると、正確な検査のため綿棒を2㎝挿入し5回転するとありますが、果たして子ども達ができるかどうか疑問です。大人が見守ることが大切だと思います。
④ 一般用検査薬(検査キット):厚労省のサイトでは国が承認した検査キットを公開しています。未承認の「研究用」のキットを誤って使わないようにお願いします。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27779.html
⑤ 偽陰性:検査キットで陽性となった場合は感染していると判断していただいて、ほぼ間違いないと思います。しかし、検査結果が陰性だった場合は、完全に感染を否定出来ません。医療機関を改めて受診することをお勧めします。
(同志社大学赤ちゃん学研究センター副センター長/学研都市病院小児科医/渡部基信)
2022年10月28日更新