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メルマガ・子育て情報「成長曲線が教えてくれること」

梅の花が見頃を迎え、少しずつ春の気配が感じられる季節となりました。保護者の皆さまはお子さんの4月からの進級を楽しみにされていることと思います。

 

さて皆さま、子どもの成長についての「ICPモデル」をご存じでしょうか?「ICP」は「Infant(乳幼児期)-Childhood(前思春期)-Puberty(思春期)」の頭文字です。各時期に成長に大きく影響する因子があり、乳幼児期には「栄養」、前思春期には「成長ホルモンや甲状腺ホルモン」、思春期には「性ホルモン」がそれにあたります。そして思春期の成長様式に最近変化が起きているのではないかといわれ、その要因の一つに環境化学物質の関与が疑われ、研究が進められています。エコチル調査でもお子さんの身体計測値は重要なデータの一つとなります。

 

子どもの成長はいずれの時期も大事ですが、お子さんが学童期になると母子手帳を持ち歩く機会が減り、成長曲線を目にする機会も少なくなるように思います。でもお子さんが思春期に入るまでの成長カーブは、実は重要な情報を教えてくれるものです。

 

学校によっては校務支援システムに健診結果を入力することで成長曲線を作成し、活用しているところもあるようです。成長曲線のパターンから病気が発見されることもありますので、お子さんが学校から受診を促す内容のお手紙を持ち帰った際は、念のため受診も考慮してくださいね。

 

(エコチル京都UC・小児科医/丹羽 房子)

 

2023年2月24日更新