エコチル どすえ＠京都

私たちを取り巻く環境は、日々刻々と変わっています。AI(Artificial Intelligence)と呼ばれる人工知能やロボットも、私たちを取り巻く環境の一つになっています。こうした環境は子どもたちをどのように変えていくのでしょうか。私は、乳幼児がロボットをどのように認識するかに関心があり、ロボットを用いた研究を行っています。ロボットといえば、私の世代は、鉄腕アトムや鉄人28号です。放送が始まると、夢中になってテレビにかじりついていました。研究の枠組みの中で、ロボットに関心を抱いたのは、乳幼児のロボットに対する認識を研究することで、乳幼児がヒトを認識するための特性がわかるのではないかと思ったからです。

最近は、「母子を繋ぐロボット」というテーマで研究を行っています。母子のインタラクション（相互交渉）に、ロボットが参入することで、そのインタラクションの質・量がどのように変化するのかということを調べています。例えば、母子のコミュニケーションがうまくいってないとき、ぎこちないときに、ロボットが優しく入り込んだらどうなるでしょうか。私たちは、このような状況を設定し、経皮光学イメージング法という極めて新しい方法を用いて、母子の顔映像を記録することにより、情動を計測しています。人に寄り添うロボットの開発に関わる研究をこれからも進めていきたいと思います。　

（同志社大学赤ちゃん学研究センター長／板倉昭二）

2023年3月24日更新