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メルマガ・子育て情報「おしっこで癌が見つけられる??」

 最近TVCMや街中広告で【線虫がん検査】というのを見かけたことはありますか?

『忙しくて検診を受けられない間にもがんは進行してしまいます。尿を送るだけで手軽に受けられる***はそんなあなたにピッタリです。』という謳い文句で広報・宣伝しているようです。本当にこんな簡単に信頼出来るがん検診が受けられるのでしょうか?

 日本におけるがん検診は、大きく分けて2種類に分類されます。一つ目は“対策型がん検診(住民検診型)”といい、その名の通り市区町村で行うがん検診です。もう一方は“任意型がん検診(人間ドック型)”といい、希望者が各人の責任で受ける検診です。

 対策型検診で受けられるがん検診は、胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・子宮頸がんの5種類です。これらは、がん検診専門家やがん医療専門家などから構成される委員会で、きちんとしたデータをもとに検討が行われています。そして、その結果に基づいて、信頼できるがん検診として実施されています。一方で、任意型がん検診は、あくまで医療機関などが任意で提供する医療サービスです。ですので、中には有効性が確立されていないがん検診も含まれているのです。

 詳しくは下記のHPに日本医師会による詳細な解説がありますので、ぜひ一度ごらんください。

https://www.med.or.jp/forest/gankenshin/what/type/

 

(京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻・産婦人科医/後藤禎人)

 

2023年7月28日更新