今年は特に酷い暑さが続きましたね。スポーツクラブや部活動、さらに帰宅途中に具合が悪くなり、私のいる病院にも子どもたちが救急車で運ばれてきます。屋外はもちろん、室内でも、温度の高い環境にいると、体温調節機能が働かなくなることがあります。これが熱中症です。熱中症は、めまい、立ちくらみ、手足のしびれ、こむら返り(筋肉痛)、嘔吐、意識障害など様々な症状がみられます。子どもだと、これらの症状をうまく誰かに伝えることが難しいかもしれません。
子どもは体温調節機能が未発達ですし、地面からの照り返しの影響を強く受けます。また大人と比べると水分の代謝が早いので、短時間水分を摂らないだけでも脱水になったりします。つまり、子どもは大人より暑さに弱く、熱中症になりやすいことを覚えていただければと思います。
ふだんから、時間を決めて、こまめに十分な水分と適度な塩分を補給する習慣をつけましょう。予防のためにスポーツや外出の前に水分をとることが大切です。もし熱中症と思われる状態に気づいた時は、涼しい場所に寝かせ、衣服を緩め、わきの下や首など体を冷やす、経口補水液を摂らせるなどの応急処置をおこなってください。まだまだ暑い日が続きますので、日ごろからお子さんと熱中症対策についてしっかり話し合っていただければと思います。
(同志社大学赤ちゃん学研究センター副センター長/学研都市病院小児科医/渡部基信)
2023年8月25日更新