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メルマガ・子育て情報「小児期から生活習慣病の予防を!」

朝晩の冷え込みが身に染みる季節となりました。朝布団から出るのが辛いのは…私だけではないですよね!?
唐突ですが、「adiposity rebound」という言葉をご存知でしょうか?[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で表されるBMI(体格指数)の年齢推移をみた時に、子どもでは乳児期を過ぎて下降し最小値を示した後に再び上昇する「跳ね返り」を意味する言葉です。通常ではこの「跳ね返り」は5-6歳ごろに起こるのですが、より若年で起こるほど、成人期の肥満のリスクが上がることが複数の研究で示されています。
幼児期のBMI上昇はそのまま小児期のBMI上昇幅の増大に、そして成人期の糖尿病をはじめとした生活習慣病のリスク上昇に繋がるため、国民病の一つと称される糖尿病やその合併症の発症予防のためにも小児期からの対策は喫緊の課題です。
小児期のBMIの大きな増加(肥満傾向)には生活習慣や環境が影響すると考えられており、近年の新型コロナウイルスの流行は子ども達が屋内で生活する時間の長期化に悪い影響をもたらした可能性があり、またこの夏の異常な猛暑も運動不足に拍車をかけたかもしれません。
でもまだ間に合います!小児期や思春期の生活習慣病のほとんどは可逆的です。
「食欲」の秋は誘惑も多いですが、親子共々過食は控え、お子さんを誘って外で身体を動かす習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

(エコチル京都UC・小児科医/丹羽 房子)

 

2023年11月24日 更新