子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)
京都ユニットセンターが実施する新しい研究のご紹介
2016年6月24日
(改訂:2016年9月9日/2017年5月16日/2018年3月16日)
平素はエコチル調査に多大なるご協力をいただきまして,誠にありがとうございます.京都ユニットセンターでは,皆様にご回答していただきました質問票のデータを用いて,「親のコンディションが子どもの性別に与える影響」という研究を企画いたしました.以下にその概要をご紹介させていただきます.
本研究にはすでにご回答いただいております質問票のデータを利用いたしますので,新たなご負担を追加でお願いするものではございません.
●親のコンディションが子どもの性別に与える影響
動物では,親のコンディションが子どもの性別に影響を与えることが知られています.かつて発表された論文では,特定の生態学的特徴をもつ哺乳類では,「コンディションが良い(=栄養状態が豊か,社会的ランクが高い)母親は雌よりも雄を産みやすい」という仮説が提唱されています1.この仮説は人間においても検証が進んでおりますが,結果は仮説を支持するものとしないものが混在しているのが現状です.本研究ではエコチル調査の京都地区(京都・木津川・長浜地区),および,全国の大規模なデータを用いて,現代の日本を対象とした分析を行います.親のコンディションの指標としては,年齢,身体的特徴,病歴,社会経済的状況等を使用いたします.
エコチル調査が主な対象としている,環境中の化学物質が子どもの性別に与える影響の研究と相補的に,妊娠から出産に至る過程,および,子どもの性別についての生物学的理解を得ることを目指します2.得られた研究成果は,個人が特定できない形で学術雑誌や学会等において発表する予定です.分析の過程におきましても,使用するデータセットには皆様のエコチルIDは含まれておりません.なお,本研究は京都大学「医の倫理委員会」の承認,および,研究機関の長の許可を得て実施いたします(受付番号:R0628/変更・追加申請を含む).
エコチル調査のデータを利用する,本研究へのご理解を何卒どうぞよろしくお願いいたします.本研究でデータを用いることに抵抗を感じられる場合は,以下の連絡先までご連絡をよろしくお願いいたします.研究の内容や手続きについて,より詳しくご説明させていただきます.ここで,本研究に関していかなるご連絡をいただいた場合でも,エコチル調査に関して不利益を被ることは一切ございません.ご質問やご意見,詳細のお問い合わせにつきましても,同様にご連絡いただきますようお願い申し上げます.
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京都大学大学院 医学研究科 エコチル調査京都ユニットセンター
〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町53 分子生物実験研究棟129号室
電話:075-366-7400 FAX:075-751-1721
E-mail:http://ecochil-kyoto.jp/contact/のフォームをご利用ください
担当:森田 理仁(研究員)/ 呉 東進(特定教授・研究責任者)
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1Trivers RL & Willard DE (1973) Science 179: 90-92
2生物学的に何らかの結果が得られた場合でも,それが社会的・倫理的に「望ましい」や「そうであるべき」といった結論や解釈を導くものではございません.
■その他
研究実施期間は,承認日より2年6か月間(2018年12月まで)です.研究計画書,研究の方法に関する資料は,他の研究対象者等の個人情報,および,知的財産の保護等に支障がない範囲に限って,入手,または,閲覧することができます.詳細につきましては,上記の連絡先までお問い合わせください.